例えば、顧客データベースを分析する際に最もポリュラーなのはRMF分析だと思いますが、これは顧客の購買行動によって「自社にとっての優良顧客」を分類する方法で、一言で言えば「頻繁に来て、たくさん買ってくれる人を優良客とする」ためのものです。
R(=Recency|最終購買日):顧客が「もっとも最近、購買したのはいつか?」という指標
F(=Frequency|購買頻度):顧客が「どれくらいの頻度で購買してくれるか?」という指標
M(=Monetary|累積購買金額):顧客が「トータルでいくらの購買をしたのか?」という指標
つまり、RMFそれぞれの値が高い顧客を「最もいいお客様」として優遇するという結果になります。確かに頻繁に来て、沢山購入してくれる顧客は把握できますが、これは購入するという結果だけを見た「行動ロイヤリティ」が高い顧客に過ぎません。
例えば、RFMが共に高い顧客が急に離脱するということはないでしょうか。累計金額も高く3年も5年も毎月定期で購入してくれていた優良顧客がある日パッタリと解約になった・・・という例です。RMFが高いためロイヤリティは高いと分類していたのに、解約理由を聞いても「他に使いたい商品があるから」と答えられてしまい、本当の理由は分かりません。
このような場合、定期購入の理由が「安いから」「近いから」「買いやすいから」「なんとなく」「解約が面倒だったから」ということが考えられます。消費者として自分の事を振り返ってみると、意外とそんなケースはありませんか。
顧客がどれくらい商品や会社を気に入っているのかという「心理ロイヤリティ」を計測できていれば、もっと顧客の心理的状態に寄り添ったアプローチが出来ます。