株式会社ディー・スタイルクリエイトの瓦田です。
最近、D2Cのご相談の場で、こんな言葉を耳にする機会が増えました。
「もう、D2Cは厳しいですよね」
確かに、広告環境は大きく変わりました。
CPAは上がり、競合も増え、以前のようにシンプルなやり方では通用しなくなっています。
その意味で、D2Cを取り巻く“環境”が簡単ではなくなったことは事実です。
ただ、私自身の現場感覚として、どうしても違和感が残ります。
本当に、伸び悩んでいる理由は“市場”なのでしょうか。
Contents
環境が厳しくなったから、苦しくなったのか
市場環境が良かった時代、多少設計が甘くてもD2Cは回っていました。
広告を出せば新規が入り、多少離脱しても、次の顧客がすぐに補ってくれる。
しかし、環境が変わった今、その“歪み”が一気に表に出てきています。
環境が厳しくなったから苦しくなったのではありません。
もともと構造的に弱かった部分が、露呈しているだけなのです。
多くのD2Cは「走りながら考える」状態のまま
これまで多くのD2Cを見てきて感じるのは、
「走りながら考える」状態のまま、
一度も立ち止まって設計図を描いていないケースが非常に多い、ということです。
立ち上げ期は、それでも問題ありません。
むしろ、スピード感は重要です。
ただ、
・商品数が増え
・顧客数が増え
・施策が増え
てもなお、設計図がないまま走り続けると、必ずどこかで限界が来ます。
設計されていないD2Cが抱える共通点
設計図がないD2Cには、いくつか共通する特徴があります。
・施策の数が多い
・現場が常に忙しい
・数字の上下に一喜一憂している
・改善している“つもり”なのに、楽にならない
これは努力不足ではありません。
全体を俯瞰する設計がないために、すべてが場当たり的になっているのです。
「誰に・なぜ・どう続いてもらうか」が言語化されているか
D2Cの設計図で、最低限必要なのは次の3点です。
・誰に
・なぜ
・どうやって続いてもらうのか
この3つが言語化されていないままでは、どんな施策も偶然の積み重ねになります。
・なぜこの商品なのか
・なぜこの価格なのか
・なぜこのタイミングで、このメッセージなのか
答えられない項目が増えるほど、施策は不安定になります。
環境が良い時は、設計の粗さが見えない
誤解しないでいただきたいのは、環境が良かった時代のやり方が「間違っていた」という話ではありません。
ただ、環境が良い時は、設計の粗さが結果に表れにくい。
厳しくなった瞬間に、
・継続率が落ちる
・広告を止めると売上が止まる
・現場が疲弊する
といった形で、一気に噴き出します。
これは市場のせいではなく、設計されていなかったツケです。
市場のせいにすると、次の一手が見えなくなる
「市場が悪い」「タイミングが悪い」
そう考えること自体は、自然な反応です。
ただ、その思考に留まり続けると、次の一手が見えなくなります。
市場は、個社では変えられません。
一方で、
・誰を顧客として定義するか
・どんな関係性を築くか
・どこで信頼を積み上げるか
これは、すべて自社で設計できます。
伸びているD2Cは、必ず設計から入っている
厳しい環境下でも、着実に伸びているD2Cには共通点があります。
それは、
・拡大する前に設計している
・施策よりも構造を優先している
・顧客の時間軸で考えている
という点です。
派手なことはしていません。ただ、設計があるから、環境変化に耐えられます。
少し立ち止まって、設計図を見直す
もし今、
・頑張っているのに成果が出ない
・改善を続けても手応えがない
・現場が疲れている
そう感じているのであれば、それは市場ではなく、設計を見直すタイミングかもしれません。
走りながら修正を続けること自体が悪いわけではありません。
ただ、一度も立ち止まらずに走り続けることは、必ずどこかで無理が出ます。
おわりに|設計図を描く勇気
最後に、もう一度問いを投げさせてください。
貴社のD2Cには、
言語化された「設計図」がありますか?
それとも、
走りながら修正を続けている状態でしょうか。
環境が厳しい今だからこそ、設計図を描く意味があります。
次回は、D2Cが伸び悩む“構造”そのものについて、もう一段深く掘り下げていきます。
売るためではなく、続くD2Cをつくるために。
株式会社ディー・スタイルクリエイト
代表取締役 瓦田