株式会社ディー・スタイルクリエイトの代表の瓦田です。

D2Cのご相談を受けていると、非常によく出てくる言葉があります。

「この成功事例を、そのままやりたいんです」

成功事例を見ること自体は、決して悪いことではありません。
むしろ、業界の流れを知り、視野を広げるうえでは重要です。

ただし同時に、最も失敗しやすい入口でもあると、私は感じています。

なぜ成功事例は、そのまま再現できないのか

成功事例がうまくいかない最大の理由は、とてもシンプルです。

成功事例には「前提条件」が、ほとんど書かれていないからです。

・どんな顧客層だったのか
・どんな組織体制だったのか
・どれくらいの資本力があったのか
・それまでに、どんな失敗を積み重ねてきたのか

こうした背景は、記事やセミナー資料にはほとんど載りません。

表に出ているのは、

・やった施策
・使ったツール
・出た結果

だけです。

条件が違えば、結果が変わるのは当たり前

同じ施策でも、

・顧客層が違えば
・組織の経験値が違えば
・CRMの成熟度が違えば

結果が変わるのは当然です。

それにもかかわらず、

「この会社ができたなら、うちもできるはずだ」

という前提で進めてしまう。

結果として、

「やったけど、うまくいかなかった」

という経験だけが積み上がっていきます。

成功事例を追いかけ続ける会社が陥る罠

成功事例を次々と追いかける企業ほど、ある共通点があります。

・施策が増え続ける
・やめ時が分からない
・現場が疲弊している

なぜこうなるのか。

それは、判断基準を持たずに、施策だけを集めているからです。

結果が出なければ、

「この事例は違ったのかもしれない」

と、次の成功事例を探しにいく。

これでは、設計はいつまでも自社に蓄積されません。

本当に見るべきは「施策」ではない

私が、成功事例を見るときに注目しているのは、施策そのものではありません。

・なぜ、その選択をしたのか
・なぜ、それ以外をやらなかったのか
・どこで「やめる」判断をしたのか

ここにこそ、再現性があります。

同じことをやる必要はありません。
ただし、考え方や判断の軸は、学ぶことができる

成功している企業ほど「やらないこと」が明確

成果を出しているD2C企業ほど、実はとてもシンプルです。

・やることが少ない
・優先順位が明確
・施策に一貫性がある

これは、能力の差ではありません。
判断基準が言語化されているかどうかの差です。

判断基準があるからこそ、

・やらないことを決められる
・途中で立ち止まれる
・数字に振り回されにくい

という状態を作れます。

施策が積み上がらない理由

成功事例をなぞっても成果が出ない最大の理由は、

その施策が、自社の文脈に接続されていないからです。

・なぜ、いまやるのか
・どの顧客状態に向けた施策なのか
・次の施策とどうつながるのか

これが整理されていないまま実行すると、成果は“点”で終わります。

判断基準は、会社の資産になる

施策は消費されます。

一方で、判断基準は蓄積されます。

・なぜ、これはやったのか
・なぜ、これはやらなかったのか
・なぜ、ここで止めたのか

この記録が残っている企業ほど、改善スピードが速く、ブレにくくなります。

最後に|集めるべきものは何か

最後に、一つだけ問いを投げかけさせてください。

貴社はいま、

施策を集めていますか。

それとも、

判断基準を集めていますか。

成功事例は、あくまで参考資料です。

本当に自社の力になるのは、判断の軸をどう作るか、という設計です。

売るためではなく、続くD2Cをつくるために。

 

株式会社ディー・スタイルクリエイト
代表取締役 瓦田

カテゴリー: D2Cコラム