株式会社ディー・スタイルクリエイトの瓦田です。

「最近、広告が以前ほど当たらなくなった」

これは、化粧品・健康食品のD2Cに携わる多くの方が、実感として感じていることだと思います。CPAが合わない、CVRが下がる、クリエイティブを変えても反応が戻らない。

この状況を、

・媒体が悪くなった
・競合が増えた
・アルゴリズムが変わった

と捉えるのは自然です。実際、それらは事実でもあります。

ただ、この現象を環境要因だけで片付けてしまうのは、少し危険だと私は感じています。

広告が当たらなくなる一番多い原因

私がこれまで現場で見てきて、「これは多い」と感じる理由があります。

それは、顧客像が更新されていないというケースです。

・数年前に作ったペルソナ
・立ち上げ当初に想定した理想顧客
・過去の成功体験が強く残ったモデル

これらを前提にしたまま、広告だけを改善し続けている。

市場は変わっています。顧客の価値観も、判断基準も、情報の受け取り方も変わっています。それにもかかわらず、前提条件だけが止まったまま。

これでは、広告が当たらなくなるのは自然なことです。

広告は「顧客理解の結果」が表に出る場所

広告は魔法ではありません。

どれだけ表現を磨いても、どれだけ動画を工夫しても、その根底にある顧客理解がズレていれば、結果は出ません。

広告とは、
顧客理解の精度が、最も分かりやすく可視化される場所です。

当たらない広告は、媒体や表現が悪いのではなく、「いまの顧客像」と噛み合っていないサインであることがほとんどです。

成功体験ほど、アップデートを邪魔する

特に注意が必要なのが、過去に大きな成功体験がある場合です。

・この切り口で売れた
・このペルソナで数字が伸びた
・この訴求でCPAが合っていた

こうした体験は、組織にとって大きな財産です。
ただ同時に、アップデートを妨げる要因にもなります。

顧客は変わっているのに、「うちのお客さんは、こういう人だ」という前提だけが固定化されてしまう。

結果として、広告はどんどん“ズレたメッセージ”になっていきます。

顧客の価値観は、静かに変わっている

ここ数年で、顧客の判断基準は大きく変わりました。

・安さよりも納得感
・機能よりも安心感
・情報量よりも信頼感

特に化粧品・健康食品では、「誰が、どんな考えで届けているか」を以前よりも厳しく見られるようになっています。

にもかかわらず、広告では

・過度な煽り
・昔ながらのベネフィット訴求
・短絡的な比較表現

が使われ続けているケースも少なくありません。

顧客が変わっている以上、広告の前提も変えなければなりません。

広告改善の前に、必ずやるべきこと

広告が当たらなくなった時、多くの企業は

・クリエイティブを変える
・媒体を変える
・代理店を変える

といった「外側」をいじろうとします。

もちろん、それが必要なケースもあります。
ただ、その前に必ず立ち止まってほしいことがあります。

それは、
いま向き合っている顧客像が、本当に“現在の顧客”なのかという問いです。

「いつの顧客」を見て広告を打っているか

ぜひ、社内で一度確認してみてください。

・そのペルソナは、いつ作りましたか
・最後に顧客インタビューをしたのは、いつですか
・最近のロイヤル顧客の声を、把握していますか

もし、答えに詰まる項目があれば、それは広告以前の問題かもしれません。

広告は、顧客理解の“出口”です。
入口である顧客理解が古いままでは、出口である広告が当たらないのは当然です。

広告は、CRMや関係性設計と切り離せない

成果が出ているD2Cほど、広告とCRMを切り離して考えていません。

広告で伝えている世界観と、購入後のコミュニケーションが一致している。

・広告で感じた印象と
・メールやLINEで感じる印象が

ズレていない。

この一貫性が、広告の“当たりやすさ”を支えています。

おわりに|問いを変える

広告が当たらなくなったとき、

「どの媒体が悪いか」
「どの表現が悪いか」

ではなく、こう問い直してみてください。

貴社がいま向き合っている顧客像は、「いつの顧客」でしょうか。

この問いに向き合うことが、次の一手を考えるための、最も確実なスタートになります。

売るためではなく、続くD2Cをつくるために。

 

株式会社ディー・スタイルクリエイト
代表取締役 瓦田

カテゴリー: D2Cコラム