株式会社ディー・スタイルクリエイトの瓦田です。

「今回は数字が良かったです」

この言葉を聞くと、私はいつも少しだけ慎重になります。
もちろん、成果が出たこと自体は素晴らしいことです。
現場で試行錯誤を重ね、結果を出された担当者の努力も理解しています。

ただ同時に、頭の中には一つの問いが浮かびます。

──その売上は、“積み上がる売上”でしょうか?

D2Cの現場では、短期的な成果が評価されやすい構造があります。
しかし、私がこれまで数多くの化粧品・健康食品ブランドを支援してきた中で感じるのは、一時的に売れた施策ほど、後になって事業を苦しめるケースが少なくないという現実です。

なぜ「効く施策」ほど、違和感を覚えるのか

値引き、煽り、限定、緊急性。

これらの施策は、マーケティングの教科書に載るほど“分かりやすく効く”方法です。
実際、CVRは上がり、売上も立ちます。問題は、その先です。

短期施策が成功した直後、現場からよく聞こえてくるのが、

・次は何をやればいいでしょうか
・同じ施策をもう一度やりますか
・さらに強いオファーが必要でしょうか

という声です。

ここに、構造的な落とし穴があります。
一度「強い刺激」で売ってしまうと、次はそれ以上の刺激がないと反応が取れなくなる。
これは顧客の問題ではなく、企業側が作ってしまった学習構造です。

顧客の中で起きている「無意識の学習」

値引きや限定施策が続くと、顧客の中には次のような無意識が形成されます。
・どうせ、また安くなる
・急がなくても買える
・定価では損をする

・次はもっと安くなるのではないか
・急いで買う必要はないのではないか
・定価では買わない方がいいのではないか

重要なのは、これらがクレームや不満として表に出てこない点です。
顧客は静かに離れます。あるいは、「安いときだけ買う人」になります。

行動心理学の観点で見ると、人は“報酬が与えられた条件”を記憶します。
安さで買った体験は、「この商品は、安くなるものだ」という認識として残ります。

つまり、一度の値引きが、未来の定価購入を削っている可能性があるのです。

「売れた理由」を分解していますか?

売上が伸びたとき、私たちは必ずこう問いかけます。
・なぜ売れたのか
・顧客は、何に納得して買ったのか

売れた理由が、

「必要だと理解できたから」
「自分の悩みに合っていると感じたから」

であれば、その売上は再現性を持ちます。

一方で、

「安かったから」
「今だけと言われたから」

が主因であれば、その売上は使い捨てです。
次の売上を生むために、さらに強い条件が必要になります。

続くD2Cは、売るたびに“納得”を積み上げます。
この積み重ねこそが、LTVの正体です。

化粧品・健康食品D2Cで起こりがちな罠

売上が伸びたとき、私たちは必ずこう問いかけます。

・なぜ売れたのか
・顧客は、何に納得して買ったのか

売れた理由が、

「必要だと理解できたから」
「自分の悩みに合っていると感じたから」

であれば、その売上は再現性を持ちます。

一方で、

「安かったから」
「今だけと言われたから」

が主因であれば、その売上は使い捨てです。
次の売上を生むために、さらに強い条件が必要になります。

続くD2Cは、売るたびに“納得”を積み上げます。
この積み重ねこそが、LTVの正体です。

化粧品・健康食品D2Cで起こりがちな罠

化粧品や健康食品は、効果実感までに時間がかかる商材です。
本来は、短期的な訴求よりも、継続設計が重要なはずです。

しかし現実には、

・初回をとにかく取る
・CPAを合わせる
・数字が悪ければオファーを強くする

という判断が積み重なり、結果として「続かない顧客」を大量に集めてしまうケースが後を絶ちません。

F2、F3で解約が続く状態は、商品が悪いのではなく、売り方が“続く前提”になっていないことがほとんどです。

続くD2Cは「売らない時間」を設計する

誤解を恐れずに言えば、続くD2Cほど“売らないコミュニケーション”を大切にします。

・使い方で失敗させない
・不安になる前に情報を渡す
・効果が出るまでの道筋を示す

これらは直接売上を生みません。
しかし、信頼残高を確実に積み上げます。

脳科学の観点でも、人は「安心できる対象」に対して継続的な選択をします。
安心は、派手なオファーではなく、丁寧な情報提供から生まれます。

判断基準を、どこに置くか

施策を考えるとき、私たちは必ず次の問いを立てます。

・この施策は、1年後の顧客関係を強くするか
・それとも、今月の数字だけを良くするか

短期施策がすべて悪いわけではありません。
ただし、それが“常態化”した瞬間に、事業は苦しくなります。

判断基準を「今月の売上」に置くのか、「顧客との関係性」に置くのか。
この違いが、1年後の景色を確実に変えます。

おわりに|問いを持ち続けるということ

最近の施策を、ぜひ振り返ってみてください。

それは、続く前提で設計された施策でしょうか。
それとも、今月を乗り切るための施策でしょうか。

一時的に売れる施策は、分かりやすい成果をもたらします。
しかし、続くD2Cをつくるのは、いつも地味で、時間のかかる設計です。

私自身、これからも「売れたかどうか」よりも、「なぜ売れたのか」を問い続けていきたいと思っています。

売るためではなく、続くD2Cをつくるために。

 

株式会社ディー・スタイルクリエイト
代表取締役 瓦田

カテゴリー: D2Cコラム