通販ビジネスをなさる皆様は、自社でアンケートを実施したものの、回収したデータをどう集計して分析していいかわからず、戸惑うことがあるかもしれません。 しかし、エクセルがあれば、ある程度の集計・分析ができます。しかもそれほど難しくありません。一度覚えてしまえば、手順はいつも同じです。 今回はエクセルを使った集計・分析の方法をご紹介します。

エクセルでローデータを用意し、データを整理する

ローデータは使用するアンケートツールによって並び方が違っていますが、エクセルで集計する場合は、ローデータをエクセルに保存した後、以下のように整理しておくと集計しやすいです。

1人の回答者の回答が1行に並ぶようにしておきます。

1行目は項目名のラベルとします。

A列には、回答者ごとにユニークな番号を振ります。ここでは1から連番で振っています。

単一回答質問のデータは選択肢の番号にしておきます。Q1、Q2、Q3、Q4が単一回答のローデータの例です。 複数回答の質問は選択肢の個数分の列を設けておきます(1つの選択肢ごとに1列)。Q5_1、Q5_2、Q5_3が複数回答のローデータの例です。Q5は全部で選択肢が3つあるという前提です。それぞれの選択肢が選択されていれば1、選択されていなければ0とします。

COUNTIF関数を使って単純集計をする

まず必要なのは、各設問について回答者がどう回答したかという情報、つまり単純集計です。各設問の選択肢ごとの回答者数は、COUNTIF関数を使用すれば集計ができます。選択肢番号を固定しておき、関数でデータの範囲と選択肢番号を参照するようにしておくと集計がラクです。

ここでは1から連番で回答者IDを振ったので、A列の最後の数が回答者全体の数です。各設問項目の回答者数をこの数で割れば、それぞれの回答者数が全体の何パーセントかわかります。

ピボットテーブルを使ってクロス集計をする

エクセルがあれば、クロス集計も可能です。たとえば、性別ごとにQ1の各選択肢が何パーセント回答されているかを確認したいとします。 その場合はローデータを全て選択し、エクセルのメニュー「挿入」から「ピボットテーブル」を選びます。「ピボットテーブルのフィールド」が表示されるので、「列」「行」「値」を以下のように選びます。「値」については、さらに右の三角をクリックして「値フィールドの設定」を選びます。

「集計方法」のタブで「数値の個数」を選びます。

そして「計算の種類」のタブで「行集計に対する比率」を選びます。 これで性別ごとの比率が出ます。項目ラベルを入れたい場合は、ピボットテーブルをコピーして値の形式で別の場所に貼り付け、別表でラベルを入れます。

CORREL関数を使ってデータの相関を確認する

エクセルでは各設問の相関関係をCORREL関数を使って確認することもできます。なお、CORREL関数を使った相関分析は、選択肢の数字の大きさに意味がある場合のみ有効です。ここでは最もポジティブな選択肢を5、ネガティブな選択肢を1としています。 たとえば、総合満足度(Q6_1)と項目別満足度(Q6_2、Q6_3、Q6_4)の相関関係を確認したいとします。

CORREL関数を使って比較したい項目を2つ選びます。

そうすると、1~-1までの相関係数が出てきます。相関係数は、以下のように解釈することが多いです。
  • 0.0~0.2:ほとんど相関関係がない
  • ~0.4:やや相関関係がある
  • ~0.7:かなり相関関係がある
  • ~1.0:強い相関関係がある
このように0.4を超えると「かなり相関関係が高い」と見なすことが多いので、Q6_4は総合満足度と相関関係が高いといえます。

エクセルを使ったアンケートデータの集計・分析についてご理解いただけましたでしょうか。やはり難しそうだな、と感じた場合は、当社が皆様をアンケート設計から集計・分析までサポートいたしますので、ぜひお声がけください。