今回は、マーケティング戦略立案の際の中核となる「誰に、何を、どのように」の“どのように“について記していきます。この部分は企業の業態や販売チャネル等によって、さまざまなシチュエーションが想定されるので、基本的な考え方を中心にお伝えしようと思います。

自己分析できてますか?

以前、3C分析や STP分析を通して自社の現状を冷静に把握することをお勧めしました。現状と分析結果に乖離があったとしても、修正すればいいので悲観することはありません。 現状分析に加えて、マーケティングの4P(下記)を確認しましょう。それが、顧客視点から見た4Cと合っているかも確認してください。

4P

  • 製品 (Product) 「何を」
  • 価格  (Price) 「いくらで」
  • 流通 (Place) 「どこで」
  • プロモーション(Promotion)「どのように」

4C

  • Customer Value(顧客にとっての価値)
  • Cost to the Customer(顧客の負担)
  • Convenience(入手の容易性)
  • Communication(コミュニケーション)
4Pなんて当たり前にやっているという方も多いかもしれませんが、ペルソナの立場に立ってみると矛盾点や修正すべき点が見えてくると思います。ペルソナにとって魅力的な製品か、購入してもいいと思える価格か、容易に買いに行けるか、企業のメッセージをペルソナが理解し、ペルソナの声を企業に届けることができるかという双方向のコミュニケーションを円滑にとれる仕組みが構築できているかをチェックしましょう。

4Pと4Cは対になるものであり、いつも双方向で考えていくことが大切です。

マーケティング戦略立案

マーケティングは、戦略を立てて製品を企画・開発するだけではありません。プランの実施、効果測定まで網羅するので、ビジネス全体を把握する業務と言っても過言ではないでしょう。言い換えれば、ビジネスの設計図やレシピ的な役目を果たします。

設計図やレシピが間違っていたら、考えていたのとは違う結果やちぐはぐなものが出来上がってしまいます。ですが、設計図があれば、どこが間違っていたのか分かります。そこを修正すればいいのです。設計図がなければ、どこの何が間違っていたのか、修正すればいいかがわかりません。

マーケティング戦略立案について簡単にお伝えしてきましたが、これらの作業は一回で終わる訳ではなく、無限に繰り返しと積み重ねが続きます。 中長期の計画を立てる際にも、目標設定と共にこれらの積み重ねが必要となります。

私が時々残念に思うことは、古い体制の日本企業ほどマーケティングについての理解が低いことです。(私が勤めた企業だけかもしれませんが) 資生堂の魚谷CEOが社長就任された時に「経営イコールマーケティング」と力説され、その後見事なV字回復を遂げました。日本の企業でも、これからもっとマーケティングが見直されていくといいなと思います。