マーケティング戦略を考える上でペルソナが重要だと記しました。ピンとこない方もいらっしゃるかもしれないので捕捉すると、CMの人物キャラクターを思い出してもらうとわかりやすいのではないでしょうか。例えば、調味料のCMに小さい子供を持つママが出演していれば、そういう人がペルソナであると考えればわかりやすいですね。

“何を”

さて、一番重要なペルソナが決定したら、次は2番目の“何を”について考えていきましょう。もちろん、このコラムは化粧品業界の方に向けているので、化粧品であるのは当然です。日本のような成熟した化粧品市場は、様々な製品やサービスが数限りなくあります。その中で、消費者はなぜ、あなたの会社の製品を選ぶのでしょうか。

自社の製品・サービスはペルソナのどのような課題(悩み)を解決するのか、ペルソナにとってどんなメリットがあるのか、そして、競合他社と比較するとどのような違いがあるのか。ペルソナにとって競合優位性のあるポジショニングを考え、どのような製品を開発するのか決定しましょう。

ここで重要なのは、何度も書いていますが、ペルソナが購入して、使用して、また買いたいと思って喜んでくれるような製品にすることです。 そのためには、ペルソナの気持ちになって、自分がペルソナだったらその製品に興味が持てるか、もっと知りたいと思うか、どうしても買いたいと思うかを今一度考えてみてください。

私がこれまで見てきた中で、開発担当者や自社社員が買いたいと思わない製品で大ヒットになった例は思い当たりません。なぜなら、その製品についていちばんよく知っている人間が買いたいと思わない物をお客様が買ってくれる筈は無いからです。

いいコンセプト(≒消費者に魅力的なコンセプト)を見つけ、言葉にするのはとてもしんどい作業です。そのために、私は市場をよく観察し、知っていることでも調べなおしたり、怪しく思われない程度に街でペルソナに近い人を観察したりしています。

また、インターネットで競合品のレビューを読んで、その製品を買う人達がどのような部分を高評価しているのかをチェックしたりもしています。

製品を決定するまで

製品を決定するまではマーケティング部署内での仕事になりますが、決定後は全社を巻き込んでの仕事になります。経営陣に製品発売の許可をもらったり、研究開発の部署やOEMに開発依頼をしたり、原料や容器を調達する段取り、パッケージのデザインや製品名について考えたり…とすべきことは限りなくあります。

マーケティングの仕事は忙しいですが、製品が出来上がった時、売れた時、良いレビューを読んだ時の喜びは言葉では言い表せません。