化粧品と一口に言っても、その種類や販売チャネル、価格は多岐にわたっています。 マーケティングは、扱う製品の販売チャンネル、価格等によって変わってきますが、このコラムではこれまでの経験に基づき、そのエッセンスをお伝えしていこうと思います。

化粧品業界は血の海(レッドオーシャン)

ご存知の通り化粧品業界は大変競争の激しいマーケットで、いわゆるレッドオーシャン(血で血を洗う競争の激しい領域)です。 日本の化粧品市場規模は約2兆5000億円。企業数は、業界トップの資生堂から小さな会社まで入れると1,500社とも2,000社とも言われています。

ある最新のデータによると、業界top4(資生堂、花王、コーセー、ポーラ)のシェアは86%にも及びます。つまり、化粧品会社が2,000社ある場合、残りの1,996社で残りの14%を取り合っているという状態です。

しかも、最近は他業種の参入が相次いでいます。例えば、自社で持っていた技術を化粧品に応用している大企業(富士フィルムやサントリー等)からアパレル、ドラッグストア、化粧品を受託製造しているOEM企業も自社ブランドを開発、販売しています。

マーケティングの必要性とマーケティング戦略の重要性

私がこれまで相談を受けた企業の中には化粧品を作ることがゴールになっていて、「うちの製品はとてもいいのですが、売れないんです。」と言われる方が結構いらっしゃいます。

今の日本では、安くてもいいと思える化粧品がほとんどで、かえって良くない化粧品を探す方が困難です。つまり、製品の良さはスタートラインに立つための必要不可欠な条件と言えるでしょう。

では、全体的に品質レベルも高く、競争が激しい日本の化粧品業界で生き残るにはどうすればいいのでしょうか。前述の通り、ただいい製品を売るだけではだめですよね。

そこに必要とされるのがマーケティングです。マーケティング手法に沿ってマーケティング戦略を練り、それに沿って社内のマーケティング以外の部署も一丸となって、製品をターゲットのお客様に届ける努力をします。マーケティング戦略に沿って社内の多くの人が動くということは、マーケティング戦略が大変重要になります。逆に、戦略がちゃんとしていないと、チームワークでの頑張りが無駄になってしまうかもしれません。

マーケティング戦略は、一言でいえば下記を定めることです。
  • どのような人に
  • どのような価値を
  • どのように提供するか
次回以降、化粧品マーケティングや戦略を立てる際の留意点等をお伝えしていきたいと思います。